歴史の本


日本人は歴史好きだと思います。
皆さんも読んで面白い歴史の本があったら、ぜひ教えてください。




聖書についてニュートラルに概略を知りたいと思い購入しました。とても簡略にまとまっていて、聖書の基礎知識の大枠をつかむことができました。聖書の読み方もいろいろありますが、歴史文献として客観的に読むことを、小説のように聖書を読むことより優先させたい人に最適です。いろいろなパターンの世界の始まり、アブラハムやモーセの物語。ダビデとソロモンの王国。イエスの行動と死後の神格化が短いながらも丁寧に書かれています。


生出 寿
徳間書店(1992-04)



秋山真之について知りたくて読んだ本でした。真之の生涯、とくに日清、日露の戦闘については迫力のある内容がつづられています。
感想は以下の点です。まず、真之はとにかく戦略、戦術が好きで、日中日夜そのことばかり考えていたこと。人間が一流になるためには、夢中になることがひとつの道であることを示しています。さらに、天才といわれる真之をもってしても、旅順港封鎖作戦や、ロシア太平洋艦隊撃滅に時間がかかり、最終的には児玉源太郎の陸軍による攻撃に助けられたことと考え、人間はチームが大事で、なんでも一人でできるものではないのだなと思いました。
「完全無欠に実施された戦術は、ほとんど無臭味で、戦争談義のタネもなく、戦況に光彩もなく、また誰に大功績があるかも判らず、しかも全軍が一様に最大の戦闘力を発揮し、全局面にわたって大功をおさめ、戦果の獲得が最大なものである。ということが、古今東西の兵書にも書かれています」という真之の言葉がとても印象に残りました。あらゆる仕事に通じる内容だなと思っています。


図解雑学 クラウゼヴィッツの戦争論


難解なことで有名な古典である、クラウゼビッツの「戦争論」についての解説本です。現代においても、戦争については日々ニュースで取り上げられ、自分たちの周りにもいろいろと考え、議論しなくてはならないことになっています。そのようなときに、本書を読んだ知識を軸にすると考えをまとめるのに役立つでしょう。「どのように戦争勝つか」というよりも、「戦争とはどういう現象か」ということに主眼が置かれているところがより科学的です。またクラウゼビッツが初めて明確に定義した「戦略」と「戦術」の違いなどは、戦争をはなれて企業などすべての組織的活動にあてはまります。そのような視点から読んでもおもしろい本です。


戦艦武蔵


太平洋戦争前の一大造船プロジェクトのお話です。大和級の二番艦である巨大な戦艦武蔵を、民間の造船所が限られた設備と人員のなかでどのように建造されたかという物語が書かれています。何より秘密裏に建造しなくてはならないというところが軍事的で、隠蔽のための工作がいろいろとなされていることが興味深いです。もうすこしきちんと準備しておくべきだったのでは?とおもう場面も多々ありますが、いままで建造したこともなかった巨大な船をどのように試行錯誤しながら完成させたかということは、プロジェクトの「現場力」のようなものをよみとることができます。


検証 もうひとつの武将列伝


再び井沢さんの本ですが、読みやすくて良いです。たくさんの武将の物語をテンポよく楽しめます。内容は初心者向けですが、江戸時代の人物の解説などはすこし新鮮な感じがするでしょう。


マンガ孔子の思想


「過ぎたるはなお及ばざるが如し」、「君子危うき荷近寄らず」などの言葉の出典である論語の解説本としては、かなりのロングセラーです。2500年も前の人(新約聖書よりもぜんぜん古い!)の言葉が今も残っていて、読まれ続けているというのはすごいことです。マンガですが、内容は良くまとまっていて濃く、それでいて読みやすいところがすばらしいです。お勧めの一冊です。


教科書が教えない歴史


明治から大東亜戦争までの日本の歴史的事件を、なかなか一般には知られていない事柄を交えてまとめた本。現在は第3巻まで出版されていると思いますが、この第2巻が個人的には一番おもしろいと思いました。1,2世代前の日本人の苦悩と努力、敗戦国となった後に押し付けられた自虐的な歴史観を考えるきっかけを与えてくれます。戦前版プロジェクトXだと思って、日本人の先輩方から勇気や誇りをもらいましょう。


逆説の日本史


有名なシリーズ物。やはり常識を打ち破るような議論は、読んでいてとても面白いです。事実を並べた歴史ではなく、歴史と人間の考え方、宗教をきちんと結び付けているところが、非常に納得させられます。このシリーズのおかげで長年疑問だった荘園のシステムと武士の登場が良く理解できました。日本史を勉強している中学生や高校生にぜひとも読んで欲しいとおもいます。

中国の歴史

陳舜臣の中国の歴史シリーズ。中国の長い歴史を非常にわかりやすく、おもしろく書いてあります。中国史に多少興味のある人はぜひ読んでみてください。私は高校時代にこの本に取り付かれて、おかげで世界史は中国史しか勉強しなくなってしまいました・・・。


プロジェクトXリーダーたちの言葉


現代の歴史というべきでしょうか、いまはやっているプロジェクトX。青函トンネルを部下に死者が出ながらも掘りぬいたり、VTRを開発したり、すごいです。知恵と勇気で日本を引っ張ってきた先輩方の言葉をかみ締めてみましょう。まあ、とてもまねは出来ないですけど、すこしでも近づけるように努力したいです。


台湾の主張


元台湾総統の李登輝氏の本。国民党の内部にあって台湾を民主化してきた苦労が伺える。現在の台湾を中国との比較で見ると、彼の功績の大きさは否定できないだろう。日本に関してもいろいろ書いているが、日本にもうちょっとがんばって欲しいという期待と愛情が伺える。また、台湾と中国という微妙な関係の中で、「名」ではなく「実」をとる、ということを学んできたといっている。これは外交をする上で極めて有効だが見落とされている部分ではないだろうか。とにかく、国を全力をかけて導いてきた人の生の声はとても迫力がある。




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