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秋山真之について知りたくて読んだ本でした。真之の生涯、とくに日清、日露の戦闘については迫力のある内容がつづられています。
感想は以下の点です。まず、真之はとにかく戦略、戦術が好きで、日中日夜そのことばかり考えていたこと。人間が一流になるためには、夢中になることがひとつの道であることを示しています。さらに、天才といわれる真之をもってしても、旅順港封鎖作戦や、ロシア太平洋艦隊撃滅に時間がかかり、最終的には児玉源太郎の陸軍による攻撃に助けられたことと考え、人間はチームが大事で、なんでも一人でできるものではないのだなと思いました。
「完全無欠に実施された戦術は、ほとんど無臭味で、戦争談義のタネもなく、戦況に光彩もなく、また誰に大功績があるかも判らず、しかも全軍が一様に最大の戦闘力を発揮し、全局面にわたって大功をおさめ、戦果の獲得が最大なものである。ということが、古今東西の兵書にも書かれています」という真之の言葉がとても印象に残りました。あらゆる仕事に通じる内容だなと思っています。
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