INETA活動日記


VB.NET Japan Tour 2004/10/16

今日はVB.NET Japan Tourに行って来ました。 VB開発のProgram ManagerのJoeさんとAmmandaさんがアメリカから来てくれて、デモと説明をしてくださるイベントでした。18:30-21:00で2セッションという内容でした。簡単に聞いた話をまとめておきたいと思います。

Joeさんのセッションは、VB Power Packの話とVB for Office、それにCompact Frameworkの話でした。

・VB Power PackはWebで提供されていて、無料で利用することができるし、ソースコードも公開されているので、自由にカスタマイズすることができるというものでした。これによって、非常に高度なUIを簡単に実現することができます。具体例は、グラフ、チャート、IEのようなツールバーにWindows XPのフォルダを開いたときに左側に現れる伸縮可能なタスクWindow、グラデーションのかかったパネル、などをデモで紹介していました。

・VB for OfficeはWordとExcelを.NETプログラムと連携させるもので、デモではWeb Serviceを使って、Web上にあるデータをクライアントにあるExcelに自動的に取り込むというものでした。ウィザードでほとんどの動作ができるのも魅力です。Excelでレポートを作る業務システムなどにちょっと組み込んでやると面白いかもしれません。

・Compact Frameworkの話は、Pocket PCのエミュレータがついているということと、ゲームを動かしていたこと、またPocket PC上からWeb Serviceにアクセスしたアプリケーション構築がPC Client用のソフトウェアとまったく同じ感覚でできるということでした。

AmmandaさんのセッションはVisual Basic 2005の新しい機能の紹介でした。

・Visual Studio自体が高速化して開発がやりやすくなった。UIも簡素化し、メニューなども必要なときに必要なものだけ出すように絞って、Simpleさを追求した。

・ClickOnceという機能で、アプリケーションの自動配布やアップデートができるという紹介がありました。これは企業ユーザには非常にありがたい機能で、かなり細かな配布条件を設定できるので、最近はやっているリッチクライアントをクライアントサーバで実現しようとする際には、強力なツールとなるでしょう。

・ClieckOnceではPrerequisitの設定をすることが可能になりました。これはアプリケーションを動かすのに必要な環境、たとえば.NET Framework 2.0が必要だとか、Direct Xが必要だとかいう情報や、必要ならどこからダウンロードするべきかといった情報をアプリケーションに埋め込んでおき、足りない場合は自動的にインストールしにいくという機能です。初心者に配布するアプリケーションにはぜひつけたい機能ですね。

・またClieckOnceではアプリケーションに与えたい実行権限まで細かく設定できます。もし、権限を満たさないユーザやマシンでアプリケーションを実行した場合には、メッセージがでたり、実行に制限が加わったりします。

・Visual Basic 2005に新しくできた、Myの機能を説明してくれました。とくに、aspxに登録したBMPなどのリソースにMyから簡単アクセスできるのは便利そうです。

・Exception Helperという機能がデバッガーにつきました。これはテスト実行の際に、Exceptionが発生したとき、デバッガーが起動し、どのように直せばいいのかをポップアップで提示してくれます。Continuable Exceptionというそうですが、直したあと実行はその例外が発生した地点から再開されますので、本当に例外がおきるような現象が解消されたかを確認することができるようになります。

・使えるUIコンポーネントの充実がなされました。.NET Framework 2.0のUIは素晴らしいです。Office 2003のようなUIを簡単に実現することができます。

・データバインディングを使ったカスタムコンポーネント作成が出来るようになりました。ウィザードでデータバインディングのデータソースを指定してやると、DBやクラスからアクセス可能なプロパティを自動的にリストアップしてくれます。その一覧からアクセスしたい情報にアクセスするUIの種類(例えばstringにはTextBoxを指定します)を選択すして、それをカスタムコンポーネントのUI画面に貼り付けるだけで、簡単にデータアクセスとUIを結び付けことができます。これも非常に便利そうです。

・コードスニペットは自分でよく使うコードを登録して、簡単に貼り付けることができるようになります。

・GenericsはC++のテンプレートのようなものです。コレクションに入れるオブジェクトの型を指定できるようになり、それをチェックするためにいままで作成していたコードがいらなくなります。

全体としては、Visual Studio 2005を利用することによって、非常に開発効率が向上すると思います。プログラマはよりデザイン的な作業に集中することが可能となるでしょう。これからはコーディングのうまさよりも、アプリケーションのアーキテクチャのデザインや、ユーザインターフェイスのデザインを磨くほうが、より効果的に良いアプリケーションを作ることができるようになるような気がします。


TechEd2004 Yokohama INETAイベントレビュー 2004/09/09

TechEd2004 Yokohamaに参加させていただきました。イベント全体は思ったより人が入っていて、.NETなどのMicrosoftの次世代テクノロジーに対する期待の高さが伺えました。セッションはあまり参加できなかったのですが、Visual Studio 2005を中心に参加しました。非常に良く出来ていて、正式リリースが待ち遠しくあります。

INETAのイベントが開催されました。私は直接なにかをすることは今回ありませんでしたが、3つのセッションのうちコミュニティの発表に参加させていただきました。

まずは総合司会として伊藤さんのアナウンスでスタートします。お客さんも50名くらい入って、なかなかセッションとしての形を整えていました。伊藤さんのスピーチのあと、メインである@ITの一色さんのプレゼンテーションがはじまりました。@ITで行った.NETに関する読者調査の結果を分析するような内容でしたが、セッション中にもお客さんとやり取りが頻発するなど、コミュニティサイトのセッションらしいインタラクティブな雰囲気が生まれていました。内容としては、すこし前まではJavaの圧倒的人気だったものが、いまはそのJavaさえもしのぐ人気が.NETにはあるということでした。正直言って、.NETの人気や関心がそれまでとは思っていなかったので、すこし驚きと、うれしさのようなものを感じました。

続いてはたくさんのコミュニティがそれおぞれ持ち時間5分で発表をするという、INETA式?のパートになりました。これはすごい良かったです。シンプルにまとまった内容が、しかも次々と話題を変えて登場するということで、適度な緊張感が生まれ、お客さんも飽きずに、質問なんかも飛び出しながら進んでいきました。これはINETAの特徴をうまく引き出したアイデアセッションだったなと思っています。どのコミュニティの発表者も本当によく内容をまとめて話をしていました。素直に面白かったです。いくつかピックアップしますと、やはり宇宙仮面さんのデモは分かりやすく良かったです。あとはチャム&レオさんの発表も非常にインパクトがありました。ぜひ将来の日本を背負って、私の年金を稼いで欲しいと思います(笑)。最後にはぜひINETAについてもっと知りたいとか、INETAに加盟したいなどというかたも現れました。

全体として、思った以上のセッションでした。今回は見学というかたちでしたが、次回はぜひ積極的に参加していきたいと思っています。

・Microsoft TechEd 2004 INETA Japan イベント案内


 


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